【JYPO会員より】WPA International Congress in Taipeiのご報告

神奈川県立精神医療センターの加藤と申します。
平成27年11月18日から22日まで台湾の台北で行なわれました、WPAIC (World Psychiatric Association Internatinal Congress)に参加して参りましたので報告致します。
 
55カ国から2149人の精神科医が集まり、日本からは台湾に次ぐ数の医師が参加しました。
タイ、インドネシア、台湾の児童精神科医の先生方と、「アジアにおける児童思春期精神科研修」と題してシンポジウムで発表をしました。日本語も含めて初めての共同座長を務める機会もいただきました。
 
・精神科研修システムのあるアジア14カ国のうち、研修期間中に児童精神科研修が必須でないのは日本とベトナムだけ。
・先進各国の中で、児童精神科医の数が極端に少ない。
・児童精神科研修システムが確立されていない。関連6学会のうち4学会が専門医もしくは認定医のシステムをもっており、専門医・認定医が乱立している。そのために、この分野に興味のある学生や研修医はどのようなキャリアを積めばよいか分からない。
 
という現状がある中、私はどのようにキャリアを進めてきたのか、日本がどのように変わってきており、2017年からの新専門医制度でどうなるのか、という話をさせていただきました。
座長も無事に務めることができ、ディスカッションも何とかこなすことができました。
他の国の、日本よりもずっと整った児童精神科研修を聞き、非常に刺激を受けました。
そして、今回のシンポジウムのメンバーを中心に、アジアの若手児童精神科医のグループを作ろうという話につながり、動き出しています。
 
CADP (Course for Academic Development of Psychiatrists) に参加して、発表の仕方、質疑応答の仕方、座長の仕方などを学んでいなければとても経験できなかったことです。
今回、一緒に発表した先生方とはCADP、そして今年、CADPとジョイントしていたアジア精神医学会で知り合いました。
2年前に日韓若手精神科医合同研修会に参加して初めて英語で発表し(この時は原稿棒読みで、質疑は片言で単語を並べたひどい英語でした)、去年と今年のCADPに参加して、今回、自分でも想像していなかった得難い経験を得ることができました。
 
最初のきっかけを作って下さった横浜市立大学の青山先生、今回の発表内容について御示唆を下さったJYPO理事長の久我先生に感謝申し上げます。
 

神奈川県立精神医療センター

加藤 秀一

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